2:ラピュタは本当にあった! 大樹に飲み込まれるアンコールの遺跡


今回からは趣向を変えて、書きたいところからまず書いていくことにします(根気がなくなってきたので…)。

シェムリアップは遺跡観光の基地となる街。プノンペンから陸路6時間をかけて到着してからは、クートというトゥクトゥク運転手とともに行動しています。
カラパイアさんでアンコール最奥の遺跡ベンメリアが紹介されましたので、それに便乗して、ラピュタっぽさなら引けをとらないカンボジアの二大遺跡を紹介します!

タ・プロム


トゥクトゥクを待たせて、森の暗がりの小道を歩いていくと…。



崩落のかなり進んだ遺跡が眼前に姿を現しました。
梵天の古老」を意味するタ・プロム。時のアンコール王であるジャヤヴァルマン7世が、母親のために建立したお寺だそうです。


大自然のいきいきとした生命力を見てください! それと比べて、人の築きあげた文明のなんと儚いことか…。かつて密林を切り拓いて築かれたであろうタ・プロムの寺院は、榕樹(ガジュマル)の根に飲み込まれて消えようとしています。
最盛期はインドシナ半島にまで勢力を及ぼし、王城や寺院の数々を遺したことでその名を知られるアンコール王朝。栄華を極めた王国が亡びてしまったのは、どうしてなのでしょうか。


AKで武装した山賊などを警戒しつつ、遺跡の深部を目指しました。


なぜかそこに佇んでいるだけで、瞑想しているように見える人々。



言われなくても近寄りたくないというか、屋根の部分が自重でたわんでおります。木枠で補強してあるものの、倒壊は時間の問題と思われる。
この遺跡、榕樹に飲まれるがままにしてあるのにも理由があって、まさに大自然による侵食を目の当たりにするためにわざとそうしているのだそうです。

プリア・カン



プリア・カンは、「聖なる剣」の意味を持つ。


祠に鎮座しているヨニ。

天を突く巨大なリンガ。


きれいに削り取られた仏像。アンコール遺跡群は、どこもかしこもヒンドゥー教徒クメール・ルージュによる被害が凄まじいです。

顔をつぶされたデバター。今は干上がっているけどこの窪みはきっと人工の池で、往時は蓮の花が咲き乱れていたんだろうなァ…というようなことを空想しながら、深部に向かいます。





だけどこの根っこ、本当に空から降ってきてるみたいだなあ。

ここは、なんだろう。

広い場所だ。


「アンタ、この国に来てよかったかい?」