1:遺跡マニア垂涎! 密林に閉ざされた秘教の寺院へ…。


ミステリーハンターになる夢が諦めきれず、「遺跡・芸術・陰謀論」の三本柱で第二のロバート・ラングドンを目指しはじめたホフ山特派員が、ポル=ポトの暗号と世界の秘密を解くために送り込まれたタイやカンボジアについての報告書となります。

もっと大きなはずの自分


もっと 大きなはずの自分を探す 終わりなき旅

ブタとデモ

せっかく旅行を計画していたのに、豚インフルエンザにタクシン派のデモという、世界は旅行者にとって最悪のコンディションとなっていました。結局はエイヤーで行くことに決めたんだけども…。

どうしても100%安全というわけではなく、旅人としての経験値が少ないこともあって、海外安全情報のサイトなどで情報収集しつつ回避しなければヤバいと思われるポイントは確実に押さえていくことにしました。

  1. タイ=カンボジアの国境は陸路で越えない。国境付近ではしばしば銃撃戦が起こっているらしい
  2. バンコクでは赤や黄色の服を着ない。(党派性の表れと見做され、トラブルの元となる)
  3. 政治の話題(タイ王室やポル=ポトの話題など)には触れない

もっとも、この3点さえ押さえていれば、手に負えないようなトラブルに巻き込まれる可能性は低いと考えていました。
準備期間は2週間くらい。上司に相談して多めに休暇を取らせてもらい、毎日の昼休みとか会社帰りとかにガイドブックと睨めっこして予定を立てて、ビザや交通手段を手配し、1週間分の旅の荷物をそろえて出かけてきたわけです。

東京→バンコク






飛行機のつくる影が、段々大きくなっていく。

美しいスワンナプーム国際空港。テンションはいきなり最高潮へ。
酷いときは1週間に8回もタイ食レストランに足を運んでいたほど、タイ料理が大好きなんです。タイもそうだけど、タイ料理への憧れが異常に強くて。
うっかり赤いシャツを着たまま降り立ったらば、タクシン派っぽい赤シャツの集団が座り込んでいたりしてヒヤリとさせられました。デモの沈静化後だからか、物陰でひっそりしているだけではあったのですが。


バンコクプノンペン





南国情緒あふれる音楽が、低音質のスピーカーから幽かに流れ出して旅行者たちの鼓膜を震わせます。


機内で手渡された生花のバッヂ。

空港の外はこういう状態で、一歩外に出ようものならタクシーやトゥクトゥクの運転手たちが急速に接近してきて、カタコトの日本語で客引きの猛攻を仕掛けてきます。公共の交通機関がないため、街の中心部に向かいたければ運を天に任せていずれかのビークルに飛び乗るしかありません。
(事前にゲストハウスに予約を入れておいて、迎えに来てもらうのが一番いいと思う)
ビザカウンターのMr.Bという人物がうざかった。「いつでもプッシーを向かわせるから電話してくれ」といって無理やり連絡先を書いた紙切れを手渡されたりもしました。こちらのビザ申請内容に不備があると言って難癖をつけたうえで、女を買えばすんなりビザをくれてやろうといったようなニュアンスです。幸いにも俺の英語がカタコトすぎて会話になっていなかったために、諦めてもらうことができました。

カリーのトゥクトゥク


たった5ドルでいいというので、カリーという男のトゥクトゥクに決めました。
人好きのする笑顔とは裏腹に商売上手な男で、いいゲストハウスを知っている、連れて行ってやろうと言ってこちらが伝えたのとは違うゲストハウス(かなり割高)へと連れて行き、「高いからやめとくよ」と言うとまた別のゲストハウスへと連れて行かれ、市中を連れ回されているうちに運賃がちょっとずつ上がっていくというシステム。
カンボジアトゥクトゥク乗りは結構こういうことをやってるっぽくて、少なくともこの後に遭遇したトゥクトゥクは全員そうでした。話がおかしくなりそうだったらフレンドリーな空気をぶち壊してでもこちらの意思をはっきりと伝える必要があって、でもまはっきり言って物価はものすごく安いと思うので、あえて相手の思い通りになってみるというのもありはありかも。

レイクサイドG.H.

水上に広々と張り出したテラスが魅力的な、湖畔のゲストハウス。
客引きが部屋に上がり込んできて、がんがん麻薬や女を売りつけようとしてきてうざかった。目がイッているし、腐った傷跡が足の甲に見られるし、人を何人も殺したことがありそうな雰囲気。

俺は疲れていたし、ようやく追い返した頃には、初めての国ならではの心細さも相まってすっかり冷えこごまってしまっていた。

このゲストハウスでは堂々と麻薬を摂取してもいいことになっていて、テラスの灰皿をよく見ると、マリファナの吸殻がそのまんま放置されていたりする。法律では禁止されているものの、黙認も同然の状態となっているみたいです。(ゲストハウスによってはちゃんと禁止になっているところもある)
廊下に出ようとしたら、ちょうど向かいの部屋から髪の乱れた娼婦が白人男性と共にまろび出てくる瞬間でした。

ドライヤーが爆発

水のシャワーを浴びた後、髪を乾かそうと思ってドライヤーのスイッチを入れた瞬間、「ガリガリガリーッ」という轟音とともに内部機構が光を放ち、化学物質の焼け焦げたような嫌な匂いが室内に立ち込め俺の鼻腔をくすぐったのであった…。
※定格電力外の機器をコンセントに挿して使うと、機器は爆発します。
ブヨブヨとした壁に手をつこうものなら、浮わついた壁紙と建材の狭間にて、無数に何者かが動き回るカサカサカサーッという物音を聞かされる羽目になった。
「どうしてこうなった…」
孤独に呟いた俺の耳に、パァンという乾いた破裂音が飛び込んでくる。東京でふやけきった生活を送りつづけてきた俺は、果たしてこの国で生き延びることが出来るのだろうか…。

次回は

アンコールワットに行きます!

旅程表

1日目 成田→タイ→プノンペン
2日目 プノンペンシェムリアップアンコールワット
3日目 アンコール遺跡群
4日目 アンコール遺跡群
5日目 シェムリアッププノンペン観光
6日目 プノンペン観光→バンコク
7日目 バンコク観光
8日目 バンコク→成田