青春18きっぷとレンタカーで巡る、青森ねぷた霊場ツアー 〜後編
立佞武多でヒートアップしたあとは、仏ヶ浦や恐山といった青森のコアな部分を攻めていきます。
前編はこちら。
8/9
弘前のサウナで一泊していたんですが、うっかり寝坊をしてしまい、昼前からようやくの行動開始。喫茶店に入って珈琲をすすり、頭脳を活性化させます。ケーキもおいしかった。
珈琲専門店 可否屋葡瑠満
予定していた寺山修司記念館は、最寄駅である三沢駅から結構離れているらしく、バスの本数も少ないため今から行ってももう間に合わない。あとはまあのんびりしたものです。駅前の直四郎というラーメン屋で豆乳の入った美味いラーメンを食ってから、青森に向けて出発。
この日の最終目的地は、下北半島めぐりの拠点となるむつ市。下北駅までは弘前からだと3000円ぽっちですが、18きっぷをあまらせそうだったので一応使っておく。
弘前から青森までは一時間かからない。善知鳥神社にお参りをし、赤い林檎で果肉の乗った林檎クッキーを買い食いした後は、海沿いにある総合観光施設のアスパムへ。
アスパムの展望台からは、津軽半島と下北半島を同時に臨むことが出来ます。
(NGワード:ネルフ)
アスパム展望台から臨む八甲田丸。せっかくだし、ホタテの串焼きをぱく付きがてら向かってみることにする。
時間がなかったため外観のみの見学。かっこいい。
JR東北本線八戸行きに乗車。野辺地で大湊線に乗り換えをし、下北に向かいます。本数はかなり少なめ。
下北に到着したら、PHSですかさず翌日のレンタカーを手配しました。今回みたいな行き当たりばったりのノープラン旅行では、出発の一時間前から予約可能なトヨタレンタカーには助けられまくる。ただ、車があれば幸いというところなので、車種で贅沢を言うことはできないんだけどね。
と、ドームの方角に向かって人の波がぞろぞろと…。
ラッキーなことに、ちょうどこの日がむつ市の花火大会でした。
「いまは2000発ですが、みなさんの力があれば、5000発になることがある、といっても過言ではない!」←むつ市長談
この日はガスト→マクドナルドで宿泊。郊外の街として栄えているので、すぐに居場所を見つけることができた。電波も余裕でアンテナ三本。willcom03に真価を発揮してもらい、ググりまくって18きっぷの使用計画も含めた今後の予定をほぼ決めてしまいました。
8/10
車で下北半島を一周。
仏ヶ浦では、遊覧船から奇岩を眺めることができます。800円でチケットを買ったら、待ち時間ナシで待機していた船にすぐ乗せてもらえた。
ここで一眼のバッテリーが二本とも切れてしまったので、ウエストバッグに挿してあったwillcom03を脇差のごとく抜き放ちます。
NGワード:「一眼とそんなに変わらないね」
クラゲが浮いとった。
仏ヶ浦を出ようというときに、ちょっとしたアクシデントが。
この時借りていた車はダイハツのミラで、軽のくせにマニュアル車なんですけど、坂道発進と言いますか、これがもう、本当にむずかしくて…。
半クラッチでアクセル全開にしても、急坂をなかなか登ってくれない。エンストしては5メートル下がり、エンストしてはまた5メートル下がりで、冷静に計算したら、あと二回ほどミスれば崖から転落して命を落とす…という事実が判明してしまった。これがホントの仏ヶ浦!…というところまでは確実に追い詰められていたと思うんですが、死にたくないのでなんとかしました。
上手いこと命拾いしてからはひたすら北上をしてゆき、大間のマグロで有名な本州最北端の岬、大間崎へと辿りつきます。
本州最北端というだけはあって、北っ側を臨むと本当にもう何もない。
お昼ごはんはここで食べました。名物のマグロ丼にすれば間違いはなかったはずなんだけど、2000円もしたもんだから、つい日和って850円の海鮮ラーメンをチョイスしてしまった。
半島を少し下って、海岸線から山の中へ入る。下北半島の最終目的地である、霊場恐山です。
岩や砂ばかりの地面のあちらこちらから硫化水素が吹き上がっていて、硫黄臭が立ち込めている。地熱も温かい。
賽の河原のような光景を抜けていく。各地形には、無間地獄、胎内めぐりと言ったようなムードたっぷりの名称がつけられています。
ひとりでに回る風車の向こう側には、やはり、見えないものを見ようとしてしまう。すっかり霊的なものに対するセンスが強くなってしまって、その日のうちは、子どもの頃と同じように、暗いところを見つめるのが怖くてたまらなかった。
硫黄の流れ出した黄色い河を辿っていくと…
極楽浜が広がっている。
恐山温泉(名湯!)で汗を流してから寺を出てから、霊場アイスのよもぎ味をぱくつきました。シャーベットによもぎの葉の微粉が混ぜられてて、よもぎ大福みたいでどう考えても奇妙なんだけど味はまあまあ。
あとは移動するだけ。むつや青森をスルーして五所川原まで一気に移動し、五所川原営業所に車を返します。レンタカーの乗り捨てOKというシステムの恩恵を受けまくり。下北・津軽間の移動は電車だと非常に時間がかかるいっぽうで、車だと比較的すんなりと移動できてしまう。
JRの五能線で鯵ヶ沢に向かう。深夜ということもあってか、すでに開いてるお店がなかった。警察署や公園の遊具といった、夜露の凌げそうな場所を指差し確認しながら、真っ暗で心細いなかをフラフラ歩いてゆきます。
港の倉庫にねぷたが格納される瞬間、というレアな光景にでくわしたので激写。どこのお祭に行ったやつかな?
ネットで話題のブサかわ犬、わさおにも会えたよ…! 浜辺の建物で野宿しようとしたら、見事に凍死しかけた。宿だけは確実に押さえておくべきでした。
8/11
鯵ヶ沢から始発列車に乗り込み、舳先(へなし)の不老ふ死温泉へ。
日本海を臨む絶景露天風呂。駅からは歩いて15分くらいです。
昔は混浴のみだったそうなんだけど、現在は混浴と女湯に分かれていて、この分け方じゃわざわざ女の人が混浴に入りにきてくれるわけないじゃん、バカ…。
不老ふ死温泉
汗を流してピカピカになったところで、お次は白神山地の十二湖へ。上の公式サイトにも時刻表が載っているけれども、弘南バスの定期便を使えば、不老ふ死温泉から奥十二湖に直行することが可能です。
路線バスなのに、なぜか運転手の爺さんが名調子でガイドをしてくれた。ウェスパ椿山のモノレールや、フィンランド風の木造建築がかっこいいサンタランドの佇まいを横目で眺めていると、30分ほどで挑戦館まで辿りつきます。
そこから青池までは、歩いてすぐ。
満喫したところで、十二湖駅までバスで下ります。本当は崩山から見下ろすといいみたいだね。
疲労と眠気で相当やられていたらしく、食堂で焼きカレイの定食やどぶろくプリンを食べたり、北島康介の金メダルの瞬間に興奮したりしているうちにいつの間にか眠りこけてた。
五能線の十二湖駅には、津軽弁の自販機が設置されてる。上の動画は十二湖駅にあったのと同じモデルで、「ひゃっこい飲み物飲んだねー」とか言うわけ。
五能線の撮影にもバッチリ成功!
18きっぷは未使用。宿泊予定の秋田には明るいうちに到着したかったので、東能代から秋田までは特急を使いました。鈍行と繋がらなかったという事情もある。
秋田は江戸や明治大正の佇まいが残る渋い町でした。お城のある公園や、レトロな店が軒を連ねる通町をひとめぐり。佐竹資料館に入って、町のお殿様関連情報をゲットしたりした。
晩御飯は、濱乃家という料亭の別館で比内地鶏を使ったきりたんぽ鍋を食べた。鍋の世話をしてくれた秋田小町のおかあさんが、常に会話を絶やさないでいてくれたのもポイント高し。濃厚な出汁がやみつきになります。2500円ナリ。
料亭 濱乃家
この日は漫喫の六時間パックで宿泊しました。