ワイルドライフの楽園で過ごす、エレファントな日々


野生動物や鳥類とふれ合うことのできる大自然の楽園、世界遺産のチトワン国立公園へ。

5月26日 ルンビニ→チトワン

同宿だった四人が、ルンビニからチトワンまで共に向かうことになった。若い日本人カップルと、背の高いイギリスの女の子と俺だ。朝っぱらからツーリストバスに乗り込む。
信号で車が停まると、待ってましたとばかりに物売りや物乞いが車内にどやどや乗り込んでくる。子供が「食べ物ちょうだい」と近づいてきて、足をぽんぽん叩いたり裾を引っ張ったりするわけ。
俺はイギリスの子と一緒に座ってたんだけど、そのときの彼女の追い払い方が面白くて、ビスケットをかざしながら「Biscuit, if you go」と言い聞かせる。"Biscuit"という名詞がそのまま”you can get...”の結果を含意していて、そんな言い回しもあるんだなあと感心していた俺は、そのときなんの役にも立っていなかったのであった…。

ネパール名物、ストライキ

交通の要衝ナラヤンガートまで来たところで、悪いお知らせ。ストライキにより、バスが走ることができなくなりました。どうしようかということでみんなで相談し、タクシーで向かうことになった。
日本人三人でタクシーの後部座席を陣取り、イギリスの子を置いてけぼりにして、いいのかなーと思いつつも日本語トークに興じる。彼氏のほうはワーキングホリデイで海外に出てからそのまま諸国を漫遊中で、彼女は途中から合流して一緒に旅をしているということなのだけど、すごく気持ちのいい人たちだった。
最後、イギリスの子は完全に拗ねちゃってたみたいで。「アンタたち、みんなお金持ちでいいよね!」と、タクシーで一人頭500ルピーも取られてしまったことを愚痴っていた。ゴメンね。

眺望が自慢のホテル

実は、タクシーで宿泊地であるソウラハの村までやってきた所までが客引きの一環だったりする。ストライキ発生を教えてくれた人が、イギリスの子が泊まる予定だったホテルのオーナーだったりしたんです。で、このグラサンアロハの親父は先に到着して待ち構えている。
別に泊まってやる義理などないんだけど、一応部屋だけは見せてもらう。俺が通されたのは700ルピーのテレビ・シャワー付きの部屋で、「高いし、それにここはどこだい、別のホテルに泊まるつもりだったんだ」と言って面倒くさそうに地図を広げてたら、400ルピーまで下がった。

決め手となったのは眺めかな。高台にあるから視界が広く開けていて、ラプティ河が陽の光を浴びてきらめきながらすぐ側を流れている。

夜は昆虫王国

でもこのロッジ、アクティヴィティ*1料金が完全にぼったくりだし、夜は昆虫王国と化すし、カエルやヤモリやゴキブリが出るから、蚊帳を吊ってもなかなか寝られない。その日のうちに別のホテルに見積もりを出してもらい、「もし安かったらこっちに移るよ」と値下げしてもらって、翌日の午後には移ってしまうことに決めた。でかいゴキブリ捕まえたよ!

アクティヴィティリスト

とりあえず四つ決めた。本当はジープにも乗りたかったけど、時間が合わなくて。二日で大体のことはこなせてしまえそうな感じだ。

今のホテル
  • e.b.c.見学
  • カヌーライド→ジャングルウォーク
次のホテル
  • エレファントライド
  • タルー族のダンス

e.b.c. (エレファント・ブリーディング・センター)見学


男臭い髭のおじさん(ガイドの人)とバイクで二ケツをして、象の養育施設であるe.b.cの見学に向かう。二人乗りの仕方がわかんなくて、トレンディドラマのヒロイン達がそうしていたのを思い出して腹部にしがみついたら、ビール腹で、俺の両腕は手応えなくめり込んでいく…。それを見ていたニート従業員たち(沢山いて、庭でいつもブラブラしている)にゲラゲラ笑われてしまったので、ひどく惨めな気分になった。
路面が悪くてバイクはがたがた揺れまくり。振り落とされないようにするだけで、もう必死でした。

対岸へはカヌーで渡る。するとe.b.c.があって、

象がいっぱいだ!

ある程度まで育つと、象たちはチトワン国立公園のジャングルに放されたり、家畜として扱われるようになるんだって。ジャングルにいる象たちは実はほとんどが人間に育てられたもので、野生の象は滅多に見られないということだ。

一度にこんなたくさんの象を見たのは初めてで、もう、オレ。。。


足は鎖で繋がれています。いま放し飼いになっているのは二匹だけ。かつては全部が放し飼いになっていたんだって。それと関係があるのかどうかはわからないけど、鉄柵が随所においてひん曲がりまくっている。
象たちとふれ合いたかったら、鉄柵をキンキンと気持ちよく鳴らしながら、「レ・レ・レ」「ラ・ラ・ラ」と呼びかけるしかない。

はぐれメタルが仲間にならなかった俺ですが、なぜか象が上手に呼べる。仔象が歩み寄ってきてくれました(他の人には呼べないので、とても誇りを感じた)。

象に触れると桃を触ったときみたいに手が痒くなるから、すぐ手を洗わないといけない。気が済むまで仔象とふれあい、再びカヌーで戻ります。

ソウラハの村

自前でアクティヴィティ用の象を用意しているロッジやホテルもあり、村の中を象たちが平気でのっしのっしと歩いている。

ここタライ平原にはタルー族という先住民族がいて、ソウラハの村はほぼ全域が彼らの居住地だ。

タルー族は獣や野鳥に詳しく、巧みに象を操る。


バナナの樹。

ハイビスカス?

塀の上を渡るヤギ。本当にもうあちこちをヤギが歩いている。

キメラかと思ったが、違う。ヤギの一家が団子状に寄り添っているのだ。

KC'S

ソウラハ観光区画の中心部にあるレストラン。ちょっと高いけどメニューが豊富で、ダルバートが豪華かつ絶品。

お昼に陽射しを避けて逃げ込み、レモンソーダを飲んだ時の写真。レモン果汁にソーダを注いで飲むという本格的なもので、バテ気味の体から疲れを取り除いてくれた。
このお気に入りの店に、夜には400ルピーのワインを持ち込んで、獣や鳥たちの声がジャングルから幽かに届いてくる静かな熱帯の夜を酩酊状態ですごしたというわけです。

*1:チトワン公園内で象に乗ったり野鳥観察するための、パックツアーみたいなもの。宿泊施設や旅行会社が独自に用意していることが多い。旅行会社で頼むと安そう