20050527 関 智 一


 僕は助手席に関智一を乗せて車を運転している。
 どういう話の流れだろう、智一を囲んで五人くらいでドライブをしているのだった。
「しかしまさかスネ夫の声だなんてねえ」などと車内では睦まじく会話が弾んでいる。
 が、僕は一人で緊張してしまっており、うまく会話の輪に加わることができない。
 なんせ、あの関智一が隣に座っているのだ!
「僕もおどろきですよ。関智一と言ったら熱血キャラですからね」
 僕がいうと、智一は「ハァ? たとえばどんなん?」と態度を硬化させた。
 ギャーッなにか感じ悪い!
 まずいことでも言ってしまったのだろうか、ど、ど、どうしよう!?
「熱血キャラですよ。ほら、ドモン・カッシュとか」
「ああ、はいはい。俺の拳が光って唸る!」
 智一は気前よくドモン声を演じてくれたわけだ。
 が、語尾にメポーをつけてくれたら最高なのにと思うと、僕はそわそわして落ち着かない。
(メポーだろ、メポー。そこはメポー!)

「シャイニィィィング・フィンガァァァァァ、メポー!!」

 祈りは通じた! やったぜ智一、アンタ最高だ。