「なにもわからない…」



急になにもわからなくなり、迷走が始まった。


1万2000枚撮影したあたりから写真に自我が発生しはじめ、イメージを意のままに従属させることができなくなった。思春期を迎えたカメラは、イメージを腕ずくで屈服させることをよしとせず、自らイメージに組み敷かれる道をすすんで選び取っていくのかもしれない。


それはまだ、わからない…。

なにもわからない…。