20040922 文学的テロリズムが、本物のテロリストと対決する

ポール・オースターを主人公にして読んでみてください)
 僕は自らの著書を改造して爆弾に変えた。赤地に青で幾何学文様を描き込んだ、呪術的なデザインの表紙だ。”書物は爆弾である”というメタファーを身も蓋もなく立体化するという、文学的というか現代アート的な試み。曇天のニューヨーク(のような町並み)で、僕たちは武装した集団に拉致され、灰色の薄暗い建物の中に軟禁される。それとともに、例の爆弾を奪われてしまう。こうして、建物内部の探索がはじまった。
 探索の中味はよく覚えていないけど、ロールプレイング・ゲーム的な陳腐なものだったと思う。ただしスリリング。扉のひとつを開けると、中から○○・エンズという名の子連れの女性が姿を現した。下手をすると、シリ・エンズ(silly end:馬鹿げた終末)という不吉な名前だったかもしれない。彼女は僕たちの共通の友人で、かつての恋人でもあった。彼女は現在の軟禁された状況を嘆いているが、彼女を発見したという事実に、僕たちは明らかに希望の端緒を見出している。
 武装集団が集会している場所に潜入し、爆弾の本を取り戻した。それを盾にして、銃を突きつけてくる武装集団を相手に、僕たちはとある交渉を持ちかける。非常に気になる引きなんだけど、夢はそこで終わってしまった。
 夢の細部はもっと充実していたはずなんだけど、忘れてしまった。途中では、ベスト・キッドの師匠やヨーダ系の老人が何か重要なアドバイスをしてくれたはずだ。比喩などが寓意的で面白い。この寓意性、ネタ元は明らかにポール・オースター。登場人物の配置とかも。シリ・エンズの名が暗い影を投げかけていることから、ラストはたぶん全員爆死だと思う。